労災保険の施術

業務中に怪我をしたり、通勤途中で事故に遭ったりした際に、労災と認定してもらえるかが気になる方も多いでしょう。病院での治療ではなく、接骨院での施術を受ける場合にも、労災保険は適用可能です。
今回は、接骨院で労災保険の適用が認められた場合に、どのような流れで手続きを進めるのか、施術までの流れを解説します。さらに、労災保険の適用事例や治療を受けるメリットについても説明しますので、ぜひ参考にしてください。

❶ 整骨院で労災保険が適用できる事例&できない事例

まずは、労災保険が適用できる事例と、できない事例をそれぞれ紹介します。
どのようなケースで労災保険が適用されるのか、以下で紹介する事例から傾向をつかんでみてください。

接骨院で労災保険が適用できる事例

• 業務中に重い荷物を持ち上げて、ぎっくり腰になった
• 仕事場の床で滑ってしまい、足を骨折した
• 出張中に事業場の設備が原因で怪我をした
• 仕事場に向かっている途中で交通事故に遭った
• 現在通っている接骨院ですでに労災保険が適用されており、転院を希望している

業務中だけでなく、出張や営業で外に出ているときや、自宅と会社を往復する間の災害にも、労災保険が適用されます。私的行為ではなく業務を実際に行なっていること、仕事場の環境や管理不足が原因であることが、労災保険が適用される条件です。
なお労災保険は、正規雇用・非正規雇用に関わらず、すべての労働者に適用されます。パートやアルバイト、日雇い労働者も対象に含まれるのがポイントです。ただし、労働者を雇用する立場の人(役員・取締役など)は、労災保険の対象にはなりません。

接骨院で労災保険が適用できない事例

• 会社内で事故が起きたが、プライベートな行為が原因だった
• 機械が誤作動を起こすように仕向け、わざと怪我をした
• 業務中に個人的な恨みで暴行された
• プライベートな理由で通勤経路を外れ、事故に遭った

業務中や施設内であっても、業務に含まれないプライベートな行為が原因と見なされれば、労災保険は適用されません。ただし、トイレ休憩など生理的行為による休憩は、業務に付随するものとして認められます。

❷接骨院での労災保険の施術に必要な手続きと、施術までの流れ

労災保険を接骨院で使いたいなら、事前に会社で必要な手続きを済ませておきましょう。施術までのおおまかな流れは以下のとおりです。


1. 会社で労災保険が適用されるか確認する
2. 柔道整復師用の労災用紙に必要事項を記入する
3. 労災用紙を接骨院に提出する
4. 接骨院で施術を受ける


接骨院での施術の際に記入する柔道整復師用の労災用紙は、“通勤災害用【様式16号の5(3)】”と“労働災害用【様式7号の(3)】”の2種類あるため、間違えないように気を付けましょう。

※会社に労災保険の申請をして労災を認めて頂く必要がありますが、労災保険が適用されるかどうかを認めるのは労働基準監督署になります。(勤務先の会社ではありません)


接骨院での施術に労災保険が適用されれば、施術による窓口負担がゼロになります。「わざわざ労災保険を使うのは気が引ける……」と感じる方もいるかもしれませんが、労災保険は労働者を守るための制度ですので、遠慮する必要はありません。
労災を隠して健康保険を使用することは健康保険法で禁止されています。 発覚した場合は、会社と本人の両方にペナルティーが課せられる可能性があります。場合によっては、健康保険を使えなくなることもあるため注意しましょう。

❸接骨院で労災保険の施術を受けるメリット

窓口負担はなしで受けられる

業務中に起きた怪我については、基本的に労災保険が適用されます。労災指定医療機関であれば、窓口負担がかからず無料で施術を受けられるのがメリットです。
※労災指定医療機関以外で施術を受ける場合は、一時的に費用全額を立て替える必要があります。
なお、細々した手続きに関しては、基本的に接骨院側が代行します。ただし前述のとおり、柔道整復師用の労災用紙が必要となりますので、忘れずに用意しておきましょう。

病院よりも比較的通いやすい

整形外科での治療を受けようと思っても、患者の人数が多すぎて、待ち時間が長くなってしまうケースがあります。それに対し、当院は予約優先制をとっており、夜遅くまで開いてますので、忙しい方でも比較的通院しやすいのがメリットです。
身体の不調を改善するためには、完治するまで継続して通い続けることが大切です。

❹まとめ

労災保険が適用されると、接骨院や整形外科での負担金がなくなるほか、休業補償を受けられるなど多数のメリットがあります。仕事中の怪我で働けなくなったときには、労災保険を最大限に活用して早めの職場復帰を目指しましょう。
労災認定の手続き自体は比較的簡単に行なえます。また、他の整形外科や接骨院(整骨院)に通いながら当院へ同時に通院いただくことも可能です。整形外科に通院しているが、他の治療法などを試してみたいと思う方もいらっしゃると思います。施術の途中で他の接骨院に変更することも可能ですので、お気軽にご相談ください。